2017年11月27日月曜日

2017 小屋締め

11月26日、雁坂小屋は今年の営業を終りました。
 今年は冬場の雪が少なかったため小屋開け直後から水の苦労が続きました。パイプからは箸1本程度の水量しか流れず、それで何とか5月の連休を乗り切りました。
 その後、夏の水枯れの心配していると、今度は8月から後半は雨の日が多く、平日は晴れても予約が入る土日は不安定な雨に。これには参りました。
 そして秋も終わりの、2週続けての台風。あちこち倒木が発生。その始末にも泣かされました。
 お天気にいじめられた1年でした。

 それでも「またきました」「ご無沙汰。」と、昔からの懐かしいお客様に沢山登っていただきました。お客様でありスタッフさんでもある皆さん。せっせと動いてくれて、「ずいぶんスタッフさんが多いんですねえ」と何度言われたことか。受付で、修理で、修繕で、……あれこれ沢山、そして食飲研修で…皆さんに助けてもらいました。本当にありがとうございました。
 それから「初めてのテント泊は雁坂がいいときいて来ました」とか「雁坂へ一度登りたい。雁坂小屋に泊まってみたいと思っていたんです」「初めて夏に来て、小屋へも寄ってみたら気に入ったので、小屋締めまで4回登ってきました。」などの嬉しい言葉もお客様から沢山いただきました。
 昔からの方、初めてきた方、小屋泊の方、テント泊の方、夜はみなさんで‶食飲研修”。
 今年もたくさんのお客様に雁坂小屋をご利用頂きまして誠にありがとうございます。
小さな小屋ではありますが、お客様にとって楽しい暖かい雁坂小屋での時間を作り出していけるよう努力して参ります。来シーズンも皆様のお越しをお待ちしております。
                   雁坂小屋 山中五郎

*小屋に設置してある登山届箱に投入されていた書類は、26日夜に埼玉県警秩父警察署山岳救助隊にお届をいたしました。


    ****雁坂小屋は宿泊棟の一部を冬季開放してあります。****
         以下の事に注意して、ご利用をお願いいたします。

    冬季開放中の小屋使用について
1、アイゼンは外ではずし、靴のゴミ・雪を落としてからお入りください。
2、ガスコンロは土間の部分でのみ使用し、薪ストーブは使わないでください。
    火の扱いは最後まで確実に行い、火事を起こさないように。
3、使用後は畳・板張り部分はごみを掃き、土間部分のゴミを拾ってお持ち帰りください。
4、大小便は必ずトイレを使用する事。便器などを汚した場合はその都度掃除をしてください。水が得られないので必ずその時におねがいします。
5、小屋・テント場使用の方は封筒に必要事項を記入し、
     一人2000円を、テント場は800円を料金箱にお支払いください。
6、水場については下記お知らせをご覧ください。
7、宿泊小屋入り口が積雪で開かない場合は、入り口左側の窓から雨戸を開けて入ってください。ここはあくまでも非常時の出入り口です。
8、除雪用スコップを使用後は所定の場所に戻してください。入り口外の右側に設置してあります。
9、破損などがあった場合はすぐに管理者へ連絡をしてください。
    連絡先 電話 0494-55-0456 山中五郎

*これからも冬季開放を続けていくためにも、皆様の自覚と責任のもとでご利用ください。
 皆様のご協力をお願いいたします。
 

    水場のご案内
 凍結のため小屋には水が来ていません。
小屋入口に表示してありますが、川又方向に約1000m、豆焼沢まで行って汲んでください。小屋の水源の沢です。
*沢が凍って水が出ない場合もあります。
* 登山道に沿って黒パイプが走り、所々ピンクテープが付けてありますので目安にしてください。
*登山道は日陰部分が多く、先日の雪ですでに凍結しています。必ずアイゼンを使ってください。
*夏以降の雨のため山に水が残り、沢筋に流れ出て凍結している場所もあります。くれぐれも気を付けて歩いてください。
*事故の無いようお願いいたします。自己責任で!!

2017年11月23日木曜日

昨夜からの雪


22日夜から23日午前にかけての雨が上では雪になりました。
突出コースでは避難小屋から雪が出てきて、ダルマ坂付近ではあっても5cmほど。柔らか雪です。

「チェーンアイゼン持参で何よりです…」というコメントと写真を送っていただきました。

2017年11月21日火曜日

21日の雁坂、積雪5mm

11月21日の朝の気温はマイナス9℃。
けさの写真が送られてきました。
12月並みの寒さと言われる中、雪は小屋から突出側へ30mのこの場所だけ。
積雪は5mm。
陽が当たるとすぐとけそうです。
 今回の寒さも20日・21日が底とか。今週末は少し寒さもやわらぐでしょうか。
 この寒さの中でもラル沢からの水はゴボゴボ出ています。水は小屋締めまでは心配なさそうです。
 小屋締めの週末、縦走を考えている方はしっかり冬装備で。雁坂界隈だけでしたらアイゼン無しでも大丈夫かと思いますが。チェーンくらいはあってもいいかな??
*表面が雪や落ち葉になっていて、下が凍結している場所もあります。くれぐれもご注意を。沢を渡る場所は岩や丸太の橋が凍っているので通過の時は気を付けてください。
また寒いと余計に体力を消耗します。小屋へも早めに着くようにお願いいたします。
※空気が乾燥し風も強く吹く時期です。山火事が発生すると大変なことに。火の始末は確実に!!

*オーナーは23日に上がりますが、申し訳ありません、isiは24日に上がります。

2017年11月17日金曜日

小屋からの眺め

例年、1月半ばくらいから積雪が増えていきます。小屋の前で1m以上の積雪になります。
 峠から小屋まで夏であれば10分で下れますが、雪が深いと1時間以上かかることも。
厳冬期、気温は小屋の中でマイナス15℃くらいまで下がります。
*積雪量は年によって大きく変わります。山行前に情報確認をしてください。
  昼間の表情とは違う夕暮れ時の小屋。
薪ストーブを囲み、お客様どうしの語らいが楽しいひと時になります。
 
 雁坂の上空は航空路になっているようで、緑色や赤色の光を点滅させながら飛んでいきます。昼間だと飛行機雲が長く伸びていきます。
 消灯は8時ですので、その後は星空の撮影時間です。天の川もきれいです。小屋に星座早見盤も置いてあります。

夜景スポットから見た小屋と前橋市・高崎市の夜景。空気の澄んでくる秋から冬がより輝きを増してきます。
 夜、早く休んでしまった方は、夜明け前に東の空が色づく頃にも夜景が見られます。
夏、激しい夕立の後に虹が浮かびました。二重のにじです。

 突出峠コースから見た黒岩の尾根に建つ雁坂小屋。
大きな自然の中では本当に小さな小屋です。


 冬、雪の突出峠コースから見た雁坂小屋。





 




小屋の庭から見ることができる💛マーク。どこにあるかわかりますか?
ダケカンバが数本集まって形を作っています。新緑の頃は淡い緑。盛夏の頃はブロッコリーの塊のようになり、周りの針葉樹と色が重なりミッキーマウスの顔のようになります。秋は黄色になると直ぐ散ってしまい、その後は白の♡になります。日の出直後にはピンクの💗にそまります。小屋の水はこのハートの左下から1kmをパイプで引いてきています。
小屋から豆焼き谷側を見ると突出の尾根の先に谷川岳が眺められます。
 💛を見てそのまま視線を右に移していくと、谷川岳。
谷川岳、朝日岳の間には巻機山が望めます。
 手前の尾根は榛名富士。



谷川岳の右側に続く山脈。
小屋の上の「夜景スポット」からは上州武尊山から尾瀬の山、会津駒ケ岳、日光の山まで眺められます。手前には赤城山があります。 10月になるとてっぺんだけ雪を付けて白くなった日光白根が眺められます。
燧ケ岳は双耳峰になっています。その右側にちょこんと会津駒ケ岳が顔を出しています。
日の出スポットから見た11月の日の出。水晶谷が雲海で埋まっています。
「日の出スポット」から水晶谷側を見ると唐松尾山、雲取山、和名倉山が望めます。
季節によっては水晶谷が雲海で埋まることもあります。

2017年11月10日金曜日

防災ヘリの有料化

 埼玉県の防災ヘリの有料化の詳細が発表されました。
埼玉県内の山岳において埼玉県防災ヘリコプターによる救助を受けた場合に、原則として、手数料を納付することになります。

詳細は
埼玉県のHP および 対象となる地域 をそれぞれご覧ください。対象地域は円の埼玉県側です。


*施行日来年1月1日からです。

安全登山のためのリーフレットは今後小屋にも置いておきますので、おいでの時にご覧ください。
埼玉県警山岳救助隊ニュースが更新されていますので合わせてごらんください。

2017年11月8日水曜日

そうだ雁坂へ行こう

 11月初めの3連休。
 おおくのお客様においでいただきありがとうございました。
 受付などを若いスタッフさんにお願いし、ぶらぶらしているとお客様からいろいろ声をかけて頂きました。

「初めてのテント泊なのでどこがいいかネットで調べていて、ここを見つけ〝そうだ雁坂へ行こう”となったんです」

「しし鍋だって言うからとりあえず雁坂に行くって決めて、後で時間やコースを調べてやってきました」

「ブログ見ていたら、私と同じ歳の人が小屋を降りるって書いてあったもので、それで仲間連れて登ってきました」

「ブログ、いつも見ていますよ」
「ブログの見やすくなりましたね」

ブログの事は他のスタッフさんも「何人かから言われたと」話していました。

嬉しいです。ありがたいです。
初めてお目にかかるお客様からこのような言葉をかけてもらえるなんて、雁坂小屋にとって、小屋番にとって何より励みになります。

 

4日の夜からか冷え込み、翌朝は空気が澄んで眺めがいいかと期待していました。が、日本海側のお天気が悪く、両神山までは良く見えたものの谷川岳や尾瀬などはあつい雲がかかっていました。

3日の朝は雪をのせた日光白根などを見ることができました。

 今月で小屋番を引退するのでわざわざ小屋を訪れてくれたお馴染みのお客様。
 初めてであった時の事。食飲研修。その後の出来事。一緒にいた仲間たち・・・思い出すと、なつかしいし、でもこれでお仕舞かと思うと涙がこぼれそうで、何だか照れくさくてまともにご挨拶もできず申し訳なかったです。
 いい歳になり、体はすぐにくたびれますが、気持ちの方はまだまだできていなくて。
 面と向かって握手されたりするのがどうも苦手です。ごめんなさい。嬉しさや色んな感情が……歳とってゆるくなったのか直ぐ涙が出てきます。ありがとう。

**おしらせ**
*突出峠側に下ったところにあった水場は部材が古く危険になったため撤去しました。現在は半ドラムが置いてありラル沢からの水を受けています。

*冷え込むようになってきました。しっかり防寒対策をしてください。

今年は11月26日(日)まで営業いたします。
*宿泊の受付は25日(土)宿泊までになります。

*このところ日没後に到着する年配のお客様が数組ありました。皆さん経験豊富な方々ですが遅くなるほどリスクは増えます。
 寒く、行動時間が短くなる季節になり、体力は思っているよりも確実に衰えていることを自覚し、自身や仲間の体力・時間配分・装備・コース取りなど、計画をしっかり見直し、無理のない山歩きをお願いいたします。男同士の昔からの仲間のパーティーにこの傾向がみられます。(64歳の小屋番からのお願い)

*今週末11・12日は小屋泊の予約が入ればisiが小屋にあがります。

 ①日の出スポットで待つ皆さん
 ②上が白くなった日光白根山、左側に上の白い燧ケ岳
 ③冷え込んだ5日の朝に氷がはりました
 ④峠からの富士…福島の常連さん撮影
 ⑤雁坂峠から伸びる黒岩尾根の少し平らになった場所にちょこんと立っている雁坂小屋…突出峠コースから
 ⑥下の水場、現在はありません

2017年11月6日月曜日

油断していた

 4日の夜中、トイレから戻リ「テントのお客様……」とブログを書いている場合ではなかった。
 5日の朝、水が細いのが気になり半ドラムに入れてある2本のパイプを確かめる。
 「やっちまった」
 水源タンクからの水がきていない。凍らせてしまった。
 朝飯の後点検に。30箇所ちかいバルブを順に開いていく。陽当たりのいい場所からは貯まっていた水が流れ出す。そして止まる。日陰の場所は動きがない。パイプ1kmのうち殆どのバルブは日陰にある。水源の滝では日頃の倍以上の水が出ているのに。こうなると、とけるのを待つしかない。
 冷え込んでいると気づいて小屋から50mのバルブを開けて水を逃がしておけば凍らずにすんだのに。
 結果は写真のお知らせを貼って小屋を降りることになってしまった。
 ただ、今のところ突出峠・川又方向へ30m行った所にラル沢からの水が来ていますのでこちらを使ってください。
 1日のブログに「作業のタイミングで」などと書いたにもかかわらず。油断していた。
 *小屋番が上がっている時には小屋泊、テント泊のお客様の飲料水は用意いたします。

 

2017年11月5日日曜日

秋晴のち寒気

 雨の10月を取り返すような穏やかな秋晴の2日、3日。4日は霧が動き回り雨もパラつく天気。寒気も吹きこみ4日の夜中には氷点下に。バケツの水もカチンカチン。強風の中で月明かりの山々がきれいです。
 この連休も沢山のお客様においでいただきました。
 今回も『しし鍋』は大盛況で完売。何度もおかわりの方も。夜には食飲研修にも多くの方に参加していただきました。
 紅葉は終わりましたが、2日の夜は遠く群馬の打ち上げ花火を、3日の夜はきらめく夜景を見る事ができました。
*カメラ不調でスマホの写真しかありません。
*寝床で時折ふく強風の音を聞きテントのお客様を心配しています。
*あしたは遠くの山脈の眺めや連休中の嬉しい出来事などお知らせします。

 
 
 

2017年11月1日水曜日

五感活用の季節

 11月になりました。
 今朝、秩父市内(街場に近い辺り)でも4度まで下がったと情報をいただきました。

 また、昨日(10月31日)の黒岩コースの出発点である出会いの丘からの紅葉の様子を送っていただきました。

 1000mから1300m付近が紅葉の見ごろとの事です。
 カラマツ林ではサラサラとかすかな音をたてる金の針の落葉が楽しめるかもしれません。
 落ちてしまった後の足元は金色のフカフカ絨毯。足裏の感触と香りもあわせて楽しんでください。

 桂の落葉のメープルシロップのような甘い香りもまだ楽しむことができるかな。

 黒岩や地蔵岩の展望台など、ひなたのちょっとした岩、触ってみるとぬくぬくとしていて気持ちいい。腰を下ろして一休みしてあたりを眺める。落葉した向かいの尾根や遠くまでがよく見えます。
 せっかくおいでになるのですから、五感をフルに使って晩秋・初冬の山を楽しんでください。

 明日から小屋へ上がります。今回は水の始末が主な作業になります。
 これから冷え込んでくると豆焼き沢の水源から、登山道にそって転がしで引いているパイプが凍ります。一度凍ると日が当たらない今の時期は春が来るまでとけなくなります。
 そのため、いつでも元から止められるよう、小屋のタンクを一杯にしておきます。
上がってみての冷え込み具合いで、豆焼き沢の受水タンクを空にし、途中のバルブも全開にしてパイプの中の水を逃がします。
 この作業のタイミングを誤ると、バルブが凍り付いて回らなくなったり、タンクやパイプに残った氷が膨張し、鋳物製の蛇口やジョイント部分でも簡単に亀裂が入り、後で大変な騒ぎになります。氷の破壊力はおっかないのです。