2014年1月31日金曜日

鉈とのこぎり

 背負子に荷物を付けて歩いていると、「小屋の方ですか」と声をかけられます。腰に鉈を付けていても同様です。いま木製背負子を使う人も見ませんし、山の中で腰に鉈をぶら下げているのは小屋の関係者でしょうね。 これを街中で持ち歩いていると直ちに職務質問の対象ですね。銃刀法違反。倒木処理の時、丸太を切るのにのこぎり使います。樹のどこを切れば回数が少なくて済むかを見極めます。樹の傾き、枝などの重なり具合、地形を見ながら、自分の方に倒れてこないように、また後始末しやすい方へ倒れるようにのこぎりを入れます。勢いよくゴリゴリ切るのではなく、ゆっくりとジーィコ、ジーィコ、ジーィコと。一本切っただけで筋肉疲労になるような切り方では後が続きませんから。鉈はつるや枝などを払う時に使います。振り下ろした時、より力が加わるよう柄は長めの物に付け替えました。
 のこぎりも鉈も使えばきれなくなりますので、のこぎりの目立てをします。ゴローさんやモリさんは自分で目立てをしますが、イシはできないので使い捨ての鋸刃(長野・須坂市の丸源)を使ってます。安いのによく切れます。鉈は砥石でといでいます。鉈とノコのセット物もありますが、写真の物は別々に買って組みました。さやは自作。それから紐は「真田紐」と言うのだと初めてしりました。
*ゴローさんからの話で、雁道場で10cm、突出峠で20cmの積雪。黒岩コース、突出コースとも登山者は入山した様子がないとの事です。
*ヤマレコにも雁坂あたりのレポートは有りません。雁坂は静かな雪山になっているようです。

2014年1月20日月曜日

ここ、携帯電話がつながります

 川又から雁坂小屋への黒岩コースの途中に、左のような「ここで携帯つながります」の案内を見つけました。あせみ峠を過ぎ、境界尾根に至る途中にありました。昔は登山中の連絡はアマチュア無線などでしたが、今は携帯電話を利用される方が多いのではないでしょうか。山行中ずっと電源を入れておくと、バッテリーの消耗が激しく、肝心の時に使えない恐れが有ります。どこで電話がつながるのか、有る程度わかると安心です。そこでお勧めのサイトをご紹介します。
  この情報はセイちゃんの紹介です。雁坂小屋の通話状況は右サイドをご覧ください。
NTTドコモがやっている『信州旅歩記』http://nagano.docomo-de.net/area/sp/m0/index.html
この中に「北アルプス」「中央アルプ。ス」「美ヶ原・蓼科・八ヶ岳」「南アルプス」「上信越」「多摩・秩父・南関東」それぞれの登山エリアの登山コース上、どこで電話が繋がるかがわかるよう地図で表されています。
赤線の部分では携帯が通じます
右の写真はその「多摩・秩父・南関東」の中で甲武信ヶ岳を開いたものの一部分です。(クリックし拡大してご覧ください)
 雁坂峠は山梨の三富側から上り甲武信方面への登山道が調査され表示してあります。黒岩コースや突出コースは未調査のようです。電池の消耗や天候の加減によっても繋がりにくい事もありますが、参考にしてください。
*ドコモ以外の携帯電話をご利用のみなさん、役に立たない情報でごめんなさい。
*なお、このニュースにはドコモから原稿料などは頂いておりません。

2014年1月11日土曜日

背負子


ほとんどの荷物はこうして
運びます。腰には鉈も。
小屋が冬休み中ですので、季節と直接関係しない話題になります。

 小屋に荷物を上げる時に背負子は必需品。つぶれやすい物や食糧などを段ボール箱に。背負子に付けて縄を少し締めると、段ボールのその部分がちょとへこみ、それ以上中の荷物に余分に圧力がかかる事がありません。また荷物も左右にずれなくなります。ゴローさんの背負子には、更に縦の柱に沿って荷物のあたる面にゴムチューブが付けてあります。その為より滑りにくくなっています。段ボールごとにおよその重さを測っておき荷重の目安にします。20kgくらいまでなら、割りと楽に上がれますが、物によってそれ以上になってくると時間をかけてじっくり登っていきます。人によって一度に背負い上げられる目方は違いますが。
肩ひもの端は横木に
引っ掛けてあるだけ
尾瀬のボッカさんが背丈の何倍も荷物を積みあげた写真を見ることが有りますが、雁坂では無理。小屋への道は急で、丸太の橋、岩場、頭上に枝が張り出した場所、片側が40~50mも切れ落ちた所などがいくつも有り、バランスを崩さないように登るので、とても尾瀬のようにはいきません。ガスボンベやペンキ缶など、物によってはそのまま背負子に付ける事もあります。
 肩ひもの下は、写真のように横木に引っ掛けてあるだけで縛り付けてありません。万一の場合、すぐ背負子が外れて、人が荷物と一緒に落ちる事が無いようにしています。また、腰には鉈とのこ切りも。これも万一の場合を考えての事です。当然リュックにあるウエストベルトはありません。肩と腰と背中全体で重さを受け止めて歩いていきます。
 背負子の素材はヒノキなどが多く、芯持ちの角材がより丈夫なようです。アルミパイプ製を使っている者もいます。背負子の細かい部分の長さなどそれぞれ違います。自作や建具やさんなどに注文するなどまちまちです。

*たしか40年以上前に、夏休みに雁坂小屋の荷物を玉川工業高校の山岳部の生徒さんが、川又から突出コースを通って歩荷をしていました。その頃の高校生のみなさんもそれぞれいいお歳になっているはずです。懐かしく思い出しました。
    (玉川工業高校は昨年3月で閉校になりました。)

*ヤマレコを拝見していますと、この3連休で黒文字橋から突出コースを登った方も、三富から上がった方も積雪に苦労されたようです。単独でのラッセルは体力を相当消耗させるようです。天候変化も含め、十分な体制やゆとりを持ってお楽しみください。

2014年1月1日水曜日

あけまして おめでとう ございます

 昨年中は多くの皆様に雁坂小屋をご利用いただきまして、誠に有り難うございました。
 また、8月にこのブログを始めてから、のべで7000回を超える方々にのぞいていただくことができました。本当にうれしい限りです。多くの方にブログの原稿のためにお世話にもなりました。重ねてお礼を申し上げます。
 
 今年も雁坂小屋、雁坂峠、奥秩父の峰々、深い沢筋と岩、鬱蒼とした原生林、草原とシャクナゲやお花畑、そしてこのブログをどうぞよろしくお願い申しあげます。
 スタッフ一同皆様のお越しをお待ちしております。
 現在小屋は冬季閉鎖中ですが、宿泊棟の一部を開放しています。火の元、清掃に十分に気を付けてご利用ください。維持管理協力金もお願いいたします。
春の営業につきましては、決まりましたらブログでご案内いたします。

 *年末営業で小屋に上がったモリさんからの情報では、小屋から峠までの積雪が50cmくらいだそうです。あまり縦走路の方は歩かれていない様子でした。
                                          2014年 元旦



 
スタッフの紹介
オーナー ゴローさん     モリさん
イシさん  ヒキマさん  セイちゃん

***ご注意を***

 雁坂に続く甲武信小屋と十文字小屋は冬季開放をしていませんので、春の小屋開けまでの間に歩かれる方は注意してください。  (それぞれのブログ、HPに書いてありました)
〈甲武信小屋〉 小屋の営業は12月29日から1月4日まで。
それ以外は小屋は閉まっています。一部解放もしていません。行程で避難小屋の利用を計画している方は破風山避難小屋を。それ以外はテントで。
〈十文字小屋〉いままで冬期期間小屋を開放しておりましたが、本年度から小屋のご利用はできませんので登山の際はご注意ください。