2014年10月29日水曜日

冬近い雁坂


 見上げると青空。そこにカラマツの葉が黄金色の雨になって降ります。風も無いのに、いつまでもいつまでも降り続けます。
足元はふかふかの絨毯に。
 24日(金)から26日(日)までは暖かく、朝も息が白くなりませんでした。大気は澄み、両神山側を眺めると、遠くに谷川岳・至仏山・燧ケ岳・日光白根山などの峰々が。朝夕は陽が当たると山肌の筋が見えるようです。夜は前橋市の夜景が大きく広がります。ただ、日の出だけはドラマチックな朝焼けの雲もなく、あっさりと上ってしまいますが。紅葉はすでに登山口辺りに降りて行きました。
中央奥、右側が谷川岳
日曜の午後からは雨に。
1日違いで、お客様が目にする景色も大きく変わります。一日ごとに変わり、時間ごとに変わる雁坂の景色や音、空気。
 そして27日(月)にお泊まりのお客様は、翌朝-1度の雁坂を体験していただきました。雁坂小屋的には初霜、初氷、初霜柱です。冬近い雁坂小屋です。水タンクの清掃と貯水。薪の準備。冬を迎える作業が続きます。小屋締めまであとひと月。最後までお客様を暖かくお迎えできるよう奮闘努力しています。
*Tさん、Mさん、学生さんを交えての夜の食飲会議は楽しかったです。Fさん、あまり時間が経つと喉が誘惑に負けるかもしれませんよ。きのこ鍋の皆さん、今度は私的にも登って来てください。北杜市の美女の皆さんまたおいで下さいね。皆さんお待ちしています。

2014年10月20日月曜日

きのうの原稿、間違えていました

 10月19日(日)の 氷点下4℃ は間違えていました。
小屋とのやり取りの中で、「4℃」って聞いて、すっかりマイナス4℃と早合点してしまいました。
19日の雁坂小屋の朝はプラス4℃でした。訂正いたします。
これだけじゃ短いので、ちょっと付け足し。

 8月の末だったか9月の初めだったか。
発電機を止めて寝ようと布団に入った時、下からの電話。
「〇〇さんて方、昨日、泊まりました?」
「今日は何時ころに小屋を出ました?」
「ご家族の方から、まだ戻っていないのでと心配して連絡があったので」

しばらくして、今度は秩父警察署から電話。
「〇〇さんの御家族から行方不明の届けがありまして、・・・・・」と。

今度は私が答えた言葉です。警察の方になんと聞かれたのか想像しながら読んでください。

「〇〇さん、○○才、男性、単独です。住所は東京都・・・・、昨日は自宅から三富を経て小屋へ。背丈は大柄、180くらい。がっちりした体形です。髪は短め少し白くなっていました。長袖のTシャツにポケットのたくさんあるベスト。シャツは紺、ベストはベージュ。長ズボンで色は黒。ザックは50リットルくらいのサイズで黒とグレイ。ストック2本。雁坂から雁峠経由で新地平に降りると、小屋を6:15頃出発されました。この辺りは2度目とのことです。特に体調等の異常は感じませんでした。天気は一日安定していました。道も特に荒れているような報告は聞いていません。」
と、まあこんなことをお伝えしました。
 しばらくして、「自宅に戻られたそうです。お騒がせしました」と警察から連絡があり、一件落着。
どんな事情があったのかは伺えませんでした。

 お客様が小屋に着いて受付の時いろいろ書いていただきます。その時「この辺りよく来るんですか」とか「今日、○○のほうの道のどうでしたか」とか、あれこれお伺いします。
またビールなど買っていただくと、またまた話しかけてしまいます。
単独でテント泊の方などは、テント場に行ってしまうと最後、なかなか記憶に残らない方もいるものですから。朝、出発の際もなるべくお見送りをしようと心がけています。
何かあっては困ることだけれど、もしもの時には記憶を呼び出すために、しゃべっちゃいます。
ま、それだけじゃなくて、元々お客様としゃべるのが好きなんですけれどね。

*これから日暮れが早くなります。家で待っている人は暗くなると余計心配になります。下に降りたら先ずは家族に連絡をお願いします。そのあと“赤ちょうちん”に寄るのは勝手ですから。
*雁坂小屋のある場所は
   埼玉県側は秩父警察署 0494-24-0110  山梨県側は日下部警察署 0553-22-0110
   が管轄になります。でも、お世話にならずに済みますように。

2014年10月19日日曜日

氷点下4℃

  台風の行方がどうなるのか、雨はいつから降るのか、・・・・このようなお天気の事を気にする必要のない土日になりました。風もない。快晴。いいお天気。こんなお天気はしばらくぶりです。小屋番のオーナー、ゴローさん、『晴れ男』に大変身です。 
 先週の『今季最大・最強の台風』も、お陰様でほとんど被害がなく通り過ぎてくれました。水源からの水は、益々元気さを増し、流れて来ています。

 紅葉は、小屋よりも下に移って行きました。だるま坂、樺小屋、突出峠辺り。黒岩コースでは、あせみ峠から黒岩辺りが見ごろです。

 陽が出ているうちは暖かく、大汗をかくほどでもなくなり、歩きやすいです。休むと、汗をかいた分がスーと冷えますが。
  また陽が傾くと、徐々に冷え込んできます。19日(日)は小屋でマイナス4℃まで下がりました。行動中はこまめに重ね着で調整してください。 
まだ、紅葉は楽しめそうです。それに長い夜もマキストーブの脇で楽しめますよ。お待ちしています。

2014年10月13日月曜日

ようこそ、会津駒ケ岳さん



水晶谷を雲海が埋め
雲を染めて朝日が昇る
雲海に浮かぶ島のような両神山と
はるか向こうには尾瀬の山並みも
紅葉の季節、しかも3連休。それなのに先週に続いて、またも今年最強と付く台風が。煙突を針金で固定したり、吹き飛ばされては困る物をしまいこんだり。台風に備えました。
 初めの予報よりも台風の速度はゆっくり。雁坂は暖かめで、朝の冷え込みも7℃まで。水もたっぷり出ています。
  日曜の朝には小屋の両脇に雲海が発生。団体のお客様には出発予定時間を少し延ばしてもらい、日の出ショーに付きあって頂きました。山で泊まった者だけが味わう事のできる楽しい時間です。

 空気が乾き、遠くまで山並みを楽しめます。138km離れた『会津駒ケ岳』も小屋の庭から眺めることができました。
 この連休中に御予約いただいた十数組のお客様が、台風の影響でキャンセルに。小屋にとっては厳しいけれど、「ご安全に」が雁坂の願い。また次の機会においでください。お待ちしております。紅葉は、台風の風がどう吹くかで変わってきますが、今回もたいした被害が出ないことを願っています。

*登山道に落ち葉が溜まる季節になりました。路肩や小岩を隠します。1日歩き、疲れてくる下りの道では、勢いよく足を踏み出し、踏み抜きやすくなります。転倒、捻挫や路肩からの転落など思わぬ大事故になりやすい時です。 ゆとりを持って歩いてください。
*登山地図の昭文社の方が、突出コースの『水の本』のことで訪ねて来て頂きました。今は雨のあとで水が出ているものの、汲めるような状態でもなく、枯れてしまうことも多いので、水の本の名前は残して、丸水マークは外していただくように、改めてお願いいたしました。
*埼玉県警山岳救助隊ニュース 秋号が更新されました。酉谷山など考えている方、必見です。http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/soshiki/shinsei/pdf/2014akigou.pdf

2014年10月4日土曜日

小屋辺りまで紅葉が

4日の黒岩付近の紅葉
ドングリを食べた跡
 御嶽山の噴火から1週間が過ぎました。朝刊には犠牲になった方の顔写真と日常の様子が記されていました。それぞれが過ごしていた時間が、生活が、突然に途切れてしまった悲しさ、虚しさ。なぜあの日、あの時間だったのか。・・・・・・・・
心からお悔やみを申し上げます。

 『大型で非常に強い台風第18号』が接近しそうです。小屋からは紅葉の写真が届きました。小屋のあたりでも本格的に紅葉が始まってきました。もう1枚はゴローさんが見つけた、動物の食事跡。ブナの多い登山道ではこの時期によく見られるそうです。これは熊ではなくて鹿のしわざ。猟期が近づき、近頃ウキウキしているゴローさんからの報告でした。
和名倉山・唐松尾山方向
両神山方向
小屋で、『あの山は何?』と
お客様からよく聞かれ、今まではずっとお答えできませんでした。
小屋からの眺めをカシミールで再現してみました。実際とは多少違いもあるでしょうが、参考にしてみてください。印刷して小屋にも置いておきます。これから、空気が乾き、晴天のときには、日光白根山、尾瀬の燧ケ岳や至仏山、谷川岳方面も望むことができます。
*台風、大暴れしないで過ぎてくれるといいんだがな。