『梓小屋』という山小屋をご存知ですか? 梓小屋と言うと、長野県の松本方面、北アルプスにある小屋のようにも感じますが。その小屋は甲武信ヶ岳と国師ヶ岳を結ぶ稜線の、ほぼ中間から長野側に少し下った沢の源頭にあります。千曲川支流、梓川の谷の上部に位置するので梓小屋と名付けられました。周囲には見事なシャクナゲの群落があり、小屋主はまだ若い長嶺亨さん。スタッフは経験豊富なゴロさんこと多田悟郎さんと、若い高沢美由紀さんの3人。
と、書いていくと本当にこの小屋が存在しそうです。実は笹本稜平さんの『春を背負って』 (文藝春秋) という小説です。昨年2月、日曜の夜。NHKラジオ「新日曜名作座」を聞いていたセイちゃんが、「ウン?、これはいい」と興味を持ち、NHKに問いあわせて本を取り寄せたそうです。
『面白いよ、読んでみなよ』と渡された本には甲武信ヶ岳から大弛小屋辺りまでの地図のコピーが添えられていました。話に出てくる地形の描写などを「この辺りかな?」と地図に重ねて読み、自分が歩いた時の記憶も重ねると楽しさが膨らみます。
文藝春秋 |
雁坂小屋スタッフ「セイちゃん」お勧めの一冊です。
もちろん小屋にも置いてありますよ。
ちなみに、雁坂小屋のオーナーはゴローさんです。
それから前回の話で、LArcさんに『小屋閉めの作業お疲れ様です。』の言葉と合わせてバナナをいっぱいいただきました。3日前に背負い上げたバナナはすでに寒さのため皮が真っ黒になっていました。LArcさん、どうもごちそうさまでした。